社会人から看護師になる
学生時代から看護師になろうとしっかり決めている人もいれば、社会人になってから新しい仕事に興味を持つ人もいます。社会人になってはじめて看護師という仕事の魅力に気づく人は多く、とりわけに、高齢化が進み介護や看護の必要性が高まっている今、看護の場面を身近に感じて「自分も看護師になりたい」と思う人や、不景気な世の中、安定した収入を求めて看護師目指す人が増えているようです。
もちろん社会人からでも看護師になることは十分可能です。なぜなら、看護師不足はとても深刻。看護の現場はどこでも、看護師の力を求めいています。より多くの人が看護師になって、活躍してもらえるよう、整備をすすめているのです。
とはいえ、社会人が看護師への転身を決意しようとすれば、それは一大決心ですね。貴重な時間とお金を費やした挙句、結局のところ就職ができないとすれば、何のための進路変更かわかりません。
20代〜40代の社会人から看護師になった人の就職率
20代〜40代の新人看護師の就職率は、ほぼ100%のようです。やはり看護師不足は本当に深刻なんですね。したがって、看護の現場では、社会人経験のない人を雇用するよりも社会経験のある人の方が色んな場面での対応や仕事の取組み方などがしっかりしていることに着眼し、その強みを生かすような人員配置をして、社会人経験のある看護師を受け入れています。
まずは、看護学校に入学すること
まず、社会人から看護師になるにはもういうまでもなく「看護学校」に入らなくてはいけません。この場合、考えられるのは、1.看護専門学校、2.看護短期大学、3.看護大学、4.准看学校があります。学業から遠ざかっていた人は受験勉強で少し苦労するかもしれませんので、過去の問題を調べたり、医療系の予備校で情報収集をするとよいでしょう。学校によっては、社会人は受験できないところや、大学卒業者であれば2年生に転入できる看護大学もあります。そういった意味でも事前の情報収集は大切です。
現在、厚生労働省の調査によりますと、現在看護学校の入学者は年27,000人程度だそうです。そのうち20代が4,000人程度、30代が1,800人程度、40代が200人程度、。また、19,000人程度が現役、残りの8000人程度が社会人で受験されていると思われます。
准看護師を目指したほうがいい?
看護学校の中で、最も早く看護師になれるのは、准看護学校に2年間通い、准看護師資格を取得する方法でしょう。しかし、准看護師は給与、昇格において正看護師と格差があり、就職先も限られてきます。いずれ正看護師の資格を取るのであれば“まわり道”になってしまう可能性が高いです。
昼間定時制に通う方法
また、少しでも収入を得ながら正看護師の資格を得たい場合は、医療機関で働きながら看護師の勉強ができる「昼間定時制」の看護学校もあります。昼間定時制は、収入が得られるだけでなく、学習と平行して実際に臨床経験を積むことができます。お金の負担のある方の多い社会人の方にはお勧めできる方法でしょう。
社会人経験のメリットもある
どの学校に入るにせよ、若い世代と一緒に学ぶことは、時に難しいと感じることもあるかもしれませんが、新しい発見もたくさんあります。また、若い学生にとってもよい刺激になります。一度社会人を経験して、看護学校に通う人は底力が違います。これは本当にそういうものです。一度社会というものを知って決意するというのは、将来に対する明確なビジョンを自身の中に描くことにつながり、難しい勉強や、厳しい実習を進めていくうえで、大きな力になるものです。
社会人入試について(社会人入試と一般入試の併願のすすめ)
社会人が看護学校へ行き、看護師になるためには、①社会人入試を受ける方法と②一般入試を受ける方法があります。社会人入試は多くの看護学校でその合格者数が公表されていません。しかし倍率は高く、10倍程度の倍率はよくあることです。
社会人入試とは通常特別枠が設けられるもので、科目試験がありません。試験科目は小論文と面接しが主となるのです。従って、その中での志望理由や自身の人間性などのアピールの仕方などで試験の合否が決まることになります。小論文や面接の中で、自分の人間性などについてアピールをしてそれによって10倍近くもの倍率を合格しなければならずそこに社会人入試の難しさがあるわけです。
この社会人入試の難しさを考えた場合、社会人が看護学校への入学を考える場合、一般入試と併願して社会人入試を考えるというのが現実的な選択でしょう(おおよそ社会人入試が11月12月。おおよそ一般入試が1月~3月です。社会人入試における小論文や面接が一般入試のための準備として役立つこともあるでしょう)。